2026/08/01

キンイツマン

 




私は(ドジで)

強い(つもり)

キンイツマン


・・・昭和日本の皆様には、

アニメでおなじみの

フレーズでしょう。


え?

何か、違うって?


そうですぁ。

私が、キンイツマンですぁ。


何でも「均一」じゃないと

おさまりがつかない、

そんな性分の超人でやんす。


パンにバターを塗るのも

びっしりキンイツ。

だいたいきっちり2ミリ厚。

パンの表面、

耳のきわのはじっこまで

たいていしっかりキンイツ。


焼き加減もキンイツ。

きれいにこんがりきつね色。


ハムもキンイツ。

円いハムを四等分して、

弧ではなく、直角の、

辺の部分を角に置いて、

すみのすみまで

全部キンイツ。


どこを取ってもキンイツ。

味のむらは、悪魔超人。

愛と正義で

許せないでやんす。


塊の、一枚肉より、

「ひき肉」が好き。


なぜならそれは、

キンイツだから。


どこをとっても、

ほぼ同じ。

ステーキよりも、

ハンバーグ。

ハムはオーケー。

ソーセージ最高の、

キンイツマン。


味のハーモニーが苦手な

キンイツマン。


ラーメンをすするときには、

麺だけすする

キンイツマン。


あたりまえのようでいて、

意外とそうでもない事象でやんす。


麺におネギの

一輪(いちりん)でも

からまりついて

いようものなら。


「味がにごるでやんす」


と、大さわぎ。


実際には、

静かに舌打ちする程度の、

キンイツマン。


ひかえめだけれど、

ゆるぎない

キンイツマン。


できれば

ラーメンの具は、

小鉢に盛ってほしいと

心で願うキンイツマン。


別に具なしでも

いいんでやんす。


小麦の味と、風味。

魚だし、げんこつ、野菜の旨味。

麺と、おいしいスープで

充分でやんす。


キンイツマンは、

目を閉じて歴史を

さかのぼる。

麺やスープの、

履歴と足跡。


煮込んだときの、

旨味と雑味。

透明度と純度と親密度。

キンイツマンは、

むらや、にごりや、

よけいな虚飾(添加物)は

何でもお見通しでやんす。


それならいっそ、

カップ麺でもいいでやんす。


いつでも味が、

キンイツだから。


甘味(かんみ)の好みも、

シュークリーム、

チーズケーキ、

ザッハトルテ、

プリンなと。

ショートケーキは、

イチゴだけでいいんでやんす。

キウイやミカンやピーチとか、

ほかのフルーツは

結構でやんす。


見た目の色が、

2色以上のものには

混乱してしまうのが

キンイツマン。


同じ味、同じ匂い、

同じ感触に安堵感。

安心&信頼の方(パートナー)、

スナック菓子。


味のむらは許せないから。


スライスよりも、

フレーク派。

チップスのおイモは、

きれいにマッシュして

ほしいでやんす。


「裏切られるれるのが、

 こわいでやんす」


寝言で吐露する

キンイツマン。


家具をつくるのにも、

無垢の木材より、

合板・ベニヤが大好き

キンイツマン。


ハンバーグみたいに、

どこを切っても、ほぼ同じな

キンイツ家具。


毎日、

同じ時間に起きて、

毎日、

同じ朝ごはんを食べて、

毎日、

同じ時間に出動する

キンイツマン


もちろん、

卵の焼き加減もキンイツ。

卵の白身と黄身の

混ぜ具合もキンイツ。

まばゆい黄色の

キンイツオムレツ。


同じ靴を、

何足も買って、

何足も履きつぶす、

キンイツマン。


靴下の色も、

素材も、銘柄も、

全部が同じ、キンイツマン。


道を渡るとき、

歩くのはいつも、

白線の上。

アスファルトの、

黒の部分はワニ池地獄。

はたまた、

地上1おくまんメートルの

深い谷。

一歩踏みはずせば

奈落の底、

タイトロープの

キンイツマン。


お風呂に入ってからの流れも、

毎回同じの

キンイツマン。


すすぐ回数も、

体を拭く順序も、

毎回同じのキンイツマン。


分け目もぴっちり、

5:5。

センター分けの、

キンイツマン。


好きなお店は、

100円ショップ。


今や、

「110円ショップ」であっても、

キンイツだから安心の

キンイツマン。


「えっ、これも110円?」


店内にて

一人つぶやく

キンイツマン。


「ねえ、これ、

 いくらだったと思う?」


「なんと・・・・

これも、これも、

 みんな1110円!」


自宅にて、

一人はしゃぐ

キンイツマン。


警察庁のポスターの、

『110』にすらシンパシー。

自分のキャパシティにジェラシー、

リテラシーなきテレパシーの

キンイツマン。


やると言ったら、

絶対やるし、

やらないと言ったら、

絶対やらない、

キンイツマン。


四角四面、頑固一徹、

融通の利かない

キンイツマン。


TPO って何?


た まに

パ ンツが

お もてうら逆


TPOの

キンイツマン。


あるのは、

白か、黒だけ。


グレーも特例も

お休みもない。


0か100の

キンイツマン。


かつての私は、

キンイツマン。


むらも、

ハーモニーも、

ハプニングも。

「予定外」とか

「想定外」が

楽しめなかった

キンイツマン。


不動の「絶対」が

あると信じていた

キンイツマン。


怖がりで、保守的で、

冒険ぎらいのキンイツマン。


がっかりするのが、

こわいから。


どこを切っても同じ味、

金太郎飴の毎日

キンイツマン。


廃盤になった商品の

売れ残りの在庫をさがし歩いて、

コンクリートのジャングルの、

東京ではない砂漠で迷子の

キンイツマン。


「あんまり

 キンイツばかりしていると、

 そのうち

 ぽきんと折れちゃうよ」


しならない

 かたい空洞

キンイツマン。


自分で建てた城壁に、

じっと囚われの身の

キンイツマン。


自分で着込んだ鎧(よろい)に、

歩き疲れて足を取られる

キンイツマン。


キンイツマン


かつて僕は

キンイツマンだった。


かつての僕は

キンイツマンだった。


今は、

キャベツ太郎の

個体差も好きだし、

ポッキーの

チョコが付いてない部分も、

最後まで食べる。


どこでどう変わったのか。


少しずつだったのか、

激変なのか。


キンイツマンだったjころの

かつて自分をなつかしむ。


こだわりを、

捨てること。


執着しないこと。


白紙でいることと。


目の前に起こる現象を

全肯定で楽しむ気概。


だから・・・


こんな記述も、

よしとするでやんす。


かつてのキンイツマンは

今日も行く。


不均衡で不条理で

不明瞭で不自然

不思議と不完全な

不安定な世界を。


不謹慎に不定期の

不埒(ふらち)に不恰好な不良っぽく

不(フ)ルーティーなキッスを

君に贈るぜ。


せっかくの景色を

台なしにするような、

そんなキンイツは

もう、いらないでやんす。



< 今日の対義語 >


トム・クルーズ  ↔︎ ムシ・コナーズ

(「来る」ほうと、「来ない」ほう)