2021/08/19

家原美術館2021:準備の時間


 





時間

それは全ての人間に

同じように流れているわけでは

ないと思うよ


時間

それは感覚であって

生きたということは

ただの記憶でしかないって

本で読んだ


(ゆらゆら帝国『時間』より)




時間。


絵を描いているときの時間。

色鉛筆を削る時間。

色鉛筆を買いに行く時間。


展覧会の準備をしているときの時間。

会場を掃除をしているときの時間。

はがきの宛名書きをしているときの時間。

キャプションを作っているときの時間。

音楽やお菓子を選んでいるときの時間。


いろいろな時間。


1枚の絵には、

たくさんの時間が

塗り込められている。


その絵が何枚もならぶ場所。

その建物にも

たくさんの時間が宿っている。


今回の会場となる建物、

築80年の旧家が見てきた、

今日までの時間。


建物ができあがるまでにも、

たくさんの時間を経たはずだ。


木材を切り、

柱を組みあげる大工。


木を切り出し、

木材に加工する杣人(そまびと)。


芽のような苗が育ち、

40〜50年経って、

ようやく大木となる。


岩が砕け、土となり、

それが粘土となって採掘される。


瓦(かわら)を焼成する職人。

藺草(いぐさ)を編んで、畳を作る職人。


いまよりはるかに、

人の手による仕事が

多い時代の建物。


いまよりはるかに、

自然による資源が

多い時代の建物。



時間。


見えないだけで、

すぐ目の前にある。


時間。


膨大な時間。

はかり知れない時間。


時間。


そこにあるのは記憶と記録。


流れては消える時間の

たしかな足跡。


変わりゆく時流のなかで、

忘れ去られないよう、

留まりつづける時間のかたち。





いまも昔も、

1日の時間の長さに

変わりはない。


1日は24時間。


1時間は60分。

1分は60秒。


1年365日。


1日は86,400秒。

かける365で31,536,000秒。

10年では3億1千536秒になる。


時間。


数字で見ると、

こんな具合だ。




『家原美術館2021』



ここでは、

描きおろしの新作をはじめ、

これまでの過去の作品を

ずらりと飾る予定であります。


あくまで予定でありますが。


今回、飾ろうと思っている

作品のなかから数点、

ご紹介しようと思います。






閃(ひらめ)きの瞬間 (2020年/合板パネルに色鉛筆)







夢見る蛸(たこ) (2020年/合板パネルに色鉛筆)









ぶっちぎり (2020年/合板パネルに色鉛筆)







手紙をよむ人 (2019年/合板パネルに色鉛筆)







オーレッ (2019年/合板パネルに色鉛筆)








川遊び (2019年/合板パネルに色鉛筆)







ひみつ (2018年/合板パネルに色鉛筆)









4月の蟻(あり) (2018年/合板パネルに色鉛筆)










迎えに行くよ (2017年/合板パネルに色鉛筆)








お花畑の肖像 (2017年/合板パネルにエナメル塗料)






世界 (2016年/合板パネルに色鉛筆)







花の戦士 (2016年/合板パネルに色鉛筆)







マヨイーナ・ハンナ (2015年/合板パネルに色鉛筆)







春を待つ風の精霊 (2015年/合板パネルに色鉛筆)









花侍 (2014年/合板パネルに色鉛筆)







マトリョーシカ (2014年/合板パネルに色鉛筆)







簡単なことがむずしい (2014年/合板パネルに色鉛筆)







アフロディテ (2014年/合板パネルに色鉛筆)







自由 (2013年/合板パネルに色鉛筆)







お花仮面 (2013年/合板パネルに色鉛筆)






家原健三郎 (2012年/合板パネルに色鉛筆)








頭が光った (2012年/合板パネルに色鉛筆)







少数民族部族 (2011年/合板パネルに色鉛筆)







野良猫 (2011年/合板パネルに色鉛筆)







ばか (2011年/合板パネルに色鉛筆)







ぼくのヒーロー (2010年/合板パネルに色鉛筆)








夜のトラ (2010年/合板パネルに色鉛筆)







ピンクの怪物 (2009年/MDFパネルに油彩、金箔)







クリスタルマン (2009年/MDFボードに油彩)







ウイングチップ (2009年/キャンバスに油彩)








コントロール不能 (2009年/MDFボードに油彩、油性ペン)









ダンとの思い出 (2009年/キャンバスに油彩)







やさしい巨人 (2009年/MDFボードに油彩)







一人故郷を見下ろす人工衛星 (2009年/合板に色鉛筆)






時間。


こうして見ると、

10年なんてほんの一瞬。


自分からすると

遡(さかのぼ)っていても、

見る人にとっては、

すぎ行く時間。


自分が記憶している時間と、

絵が記憶している時間。


時間。


今回の展示では、

絵(作品)はもちろんのこと、

コレクションなどの

展示も予定しています。



キーホルダー、

つめきり、

フローティングボールペン、

ピンバッチ、ほか。


数々の観光地、景勝地、

たくさんのおみやげ屋さん。


そこへ行くまでの道のり、

そこですごした時間と記憶。


時間。


これまでに費やした

時間の集積。



目に見えず、

流れては消えていく時間、時間。



そんなものを

回顧ではなく、

新たな時間として、

みなさまにも味わっていただければ。



そして思い出してほしいのです。


忘れかけていた何かを。



時間。


無駄な時間。


有益な無駄をすごした

たくさんの時間。



文字に起こし、記し、

留めている時間。


そしてそれを、

読んでいる時間。




時間

それは全ての人間に

同じように流れているわけでは

ないと思うよ


時間

それは感覚であって

生きたということは

ただの記憶でしかないって

本で読んだ


時間

濃密な時間

複製された大量の時間

時間 時間 時間の大安売り

時間のたれながし

時間の売買

時間に追われる

時間に支配される

時間 時間 時間がない

時間のなかでただ溺れている



時間。


ものも言わず、

黙って流れていく時間。


だからこそ、

溺れぬように

泳いでいきたい。


時間。


ひとつとして同じものはない。

永続するものもなければ、

約束されたものもない。


だからこそ、

完璧な瞬間をつかまえたい。


永遠に完璧な瞬間を。


そういって彼は、

時計をはずし、

名前も知らない花を見つけるために、

森のなかへと消えていった

わけであります。



そんなわけで。



9月10日より始まる


『家原美術館2021』


どうぞよろしくお願いいたします。



「時間泥棒!」


と言われないよう、

しっかりやりたいと思います。



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  家原美術館2021

★ 詳細はこちら

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< 今日の言葉 >


「チートス(チーズ味)を食べていて、

 気づかぬうちに1本、

 懐(ふところ)に落としていたらしく、

 ふと見つけたとき、

 パンダの赤ちゃんが産まれたのかと思ってびっくりした」


(2021年7月の日記より。パンダの赤ちゃんが産まれたニュースを読んだせいだとしたら、めちゃくちゃ安直に影響されすぎだけれど、見たとき本気でびっくりした)










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