例年はたいてい寒空の下で年越しを迎えているのだけれど。
2008から2009は、布団の中で年を越した。
めずらしく、風邪を引いてしまったのだ。
バカは風を引かないというけれど。
バカな僕は、いままで風邪に気づかなかっただけかもしれない。
30日に風邪を引きはじめ、大晦日から元旦にかけて、どっぷりと寝込んだ。
いまが何時なのか。もう2009年なのか、それともまだ2008年なのか。
何度となく目を覚まし、時計に目を凝らす。
赤く光るデジタル文字が、無表情に時を知らせる。
そんなこんなで、気づくと布団の上で新年を迎えていた。
「ここ数年、もうずうっと風邪なんて引いてない」
年末、インフルエンザでマスクをしている人に、
そんなことを豪語した結果がこれだ。
以前にも、
「俺はハエに留まられたことがない。ハエに留まられるなんて、うんこと同じだ」
などと言い放ったその直後、おそろしく絶妙なタイミングでハエに留まられたことがある。
左腕に留まったショウジョウバエを見ながら、
「おごれるものも久しからず・・・ああ、諸行無常がこの世の常か」
と文学的な気持ちになったりしたものだ。
「〜したことがない」とか「・・・になったことがない」
そんなふうに豪語すると、なぜかそのすぐあとに覆ることが多い。
それまで気づいていなかっただけなのか、
それとも、言ったことで意識が向くようになったせいなのか。
思うに「調子に乗っている自分へのいましめ」なのかもしれない。
過小評価も過大評価もせず。
自分を等身大に見て、いまいる位置を正確に知る。
自信を持つことはいいことだけれど、
調子に乗るのはよくない。
そんなことを考えた年末年始。
当たり前だと思っていたことに、もう一度感謝しようと改めて思ったりした。
風邪で寝込んでいて、熱と渇きに飢え、
「ポカリスエットが欲しい」
と切望していると、2リットルが1本、
500ミリリットルが2本、1リットルが1本、
とポカリスエットが次々に集まった。
愛人宅に住んで、ほとんど顔を会わさなくなった父からの2リットル。
急いで買いに走ってくれた、女友達からの2本。
あわてて買い物から戻ってきた、母からの1リットル。
1リットルの涙とはいかないものの。
合わせて4リットルのポカリスエットが、ずっしりときた。
渇き切った体に。
何よりみんなのやさしさが、イオンサプライだった。
そして『co-coloは上天気』(ポカリスエット1980年代CMソング(宮沢りえ出演)/ミック・ブロンズナン)、
いや、co-coloもkaradaもKONISHIKIも、みんな上天気だ。
さて。
正月三が日に、母が、甥っ子どもと一緒に、
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ってきたそうだ。
「お誕生日おめでとうステッカー」を胸に貼っていると、
着ぐるみキャラクターたちが集まってきたらしい。
母いわく、
「目の大きい、コロンとしたやつと一緒に写真を撮った」
ということだが。
いったいそれが、何のキャラクターだったのか。
それは、まったく分からない。
たいていのキャラクターが「目の大きい、コロンとしたやつ」という特徴に
当てはまる気がしないでもない。
結局、正解は追求しないでおいた。
「目の大きいコロンとしたやつ」は「目の大きいコロンとしたやつ」のままが、いちばんいい。
正体を知ってしまうと、意外とおもしろくなくなってしまうような気がしたから。
< 今日の言葉 >
今日すら進めない 子どもの私はね
明日も進めない 大人の私になる
(『Tree Climbers』木村カエラ)
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