さて。これまでお送りしてきた《家原美術館だより》ですが。今回で最後と相成りました。
長らくのご清聴、誠にありがとうございました。
《家原美術館》の展示報告。
最後は「2階洋室」と「茶室」の模様をお伝えいたします。
どうぞごゆるりと、ご覧くださいまし。
中庭から。左手奥に見えるのが「和室2」。 その手前、右手に見える洋館の2階に「洋室」はあります。 |
橦木館(しゅもくかん)の正面玄関。玄関を入ってすぐ、 右手の階段を上がると「2階洋室」へとつづきます。 |
2階への階段。赤い絨毯(じゅうたん)が、白い壁と こげ茶色の腰板に映えます。左手カーテン奥は、お手洗いです。 |
階段をのぼり切ると、目の前に「2階洋室」があります。 |
自然光の差し込む、明るい室内。かつては外国から訪れた 来賓のための「ゲストルーム」だったそうです。 |
左《ピンクの怪物》、右《涙》。「2階洋室」には、 2008年、2009年の油絵作品を中心に飾りました。 |
動線と展示場所の確保のため、部屋の中央に白い「柱」を設置しました。 H1820 × W450。材質は4ミリ厚のラワンベニヤで、白ペンキ仕上げです。 |
左から《チョコレートに溺れたい》《ぼくはだれ》 《石に囲まれた木》《やすらぎ姫》。 |
いちばん左、見切れてしまっているのが《動物人間》。 その右が《神さま》、そして《ダンとの思い出》。 |
《動物人間》や《ダンとの思い出》などの額は、 「ふすま」の廃材を使ってつくりました。右は《全部出ちゃった》。 |
中央の白い柱には、油彩のほかに、木彫画をいくつか飾りました。 こげ茶色の木枠に赤いフェルトの額は、洋室をイメージしてつくった額です。 |
中央に《ウイングチップ》。 お気に入りのドイツ製のウイングチップがモデルです。 |
左上から順に《飛んでっちゃった》《クリスタルマン》《偶然地球最後の日》 《New Year Girl》《エロで片づけられた灰皿》。 |
柱正面、上から《石畳と樹》《桃色の女性》。 |
上から《飛び出しちゃった》《やさしい巨人》。 ともに油彩の作品です。 |
入って正面、北面の壁には、色の多い絵を飾りました。 北面からふり向くと、上の写真の絵が見えます。 |
東面を背に、西面を見たところ。作り付けのタンスには、 かつてシーツやふとんなどの「リネン」類が入っていたそうです。 |
ふたたび中庭へ。左手に見える黄色い壁の建物が「茶室」です。 正面奥、木のすきまに見えるのが「和室2」です。 |
別角度、「和室2」の縁側から中庭を見たところ。 庭木の奥に見えるのが「茶室」です。 |
「茶室」の北面。茶室の中には上がれないため、 外からのぞいてもらう形の展示です。 |
左から《金閣/前》《金閣/左》《金閣/右》《金閣/後》。 茶室に合うような箱形の額をつくりました。 |
同じ角度で、露出を変えた写真。4枚の《金閣》のうしろには、 《色の魔人》(H900 × W600㎜)を飾りました。 |
4枚の《金閣》を背面から見たところ。箱額を真鍮(しんちゅう)の棒 1本で支える形がきれいだと思ったので、そうしました。 |
《No Way(反抗的なロケット)》は、包装紙の裏に描いた絵です。 絵の上下を木の板ではさんで、掛軸のようにして飾りました。 |
右手に《うろこの魔人》。壁にかけてあるのは《ピンバッチジャケット》で、 『家原コレクション』のひとつ。観光地などで買ったピンバッチが、たくさんついてます。 |
《ピンバッチジャケット》。着ると鎧(よろい)のような重みがあります。 |
その重みこそが、きっと「ばか」の重さなのでしょう。 |
いかがでしたでしょうか。
以上が《家原美術館》の展示のようすです。
存分にたのしんでいただけたでしょうか。
「もっと見たい」
「是非ともまた展示してほしい」
「おかずなしでも、白いごはんが何杯でも食べられる」
そんなお声があれば、
絵や彫刻はもちろんのこと、
『家原コレクション』の展示なども
してみたいと思っておりますゆえ、
どしどしご応募くださいまし。
みなさまの清き1票が、
家原利明の明日へとつながります。
みなさま、どうか家原利明、
家原利明に、
是非ともご投票ください。
刹那(せつな)の宴(うたげ)《家原美術館》。
本日は遠路はるばるお越しいただき、
誠にありがとうございました(敬礼)。
それではみなさま。
またお目にかかる日まで、
御機嫌よう。
そしてこれからも
どうぞよろしくお願いいたします。
家原美術館 元副館長/家原利明
★《家原美術館だより#1》〜 7歳の女の子とぶたまんじゅう の巻
★《家原美術館だより#2》〜 緑色のボールペン の巻
★《家原美術館だより#3》〜 120円とキーホルダー の巻
★《家原美術館だより#4》〜 和室2は28畳もあるんだってさ の巻
< 今日の言葉 >
「あたたまろうと したんだねぇ この子は・・・」と
人びとはいいました。
けれども この子が 死をまえにして
どんなに よろこんで
新しい年へ たびだっていったか ――
だれひとり かんがえた人は いませんでした
(『マッチうりの少女』/ハンス・C・アンデルセン)