あ、お電話替わりました。
私、家原利明と申します。
えんぴつは右手、おはしは左手、
40歳、蠍座の男の子です。
さて、今回も始まりました、
《家原美術館2015》中間報告。
題して『食うか食われるか、激闘編』。
展示内容の核心にはふれず、
周辺情報のみをお伝えいたしますゆえ、
この、中身がふわふわの中間報告を
どうぞたっぷりとご堪能くださいませ。
♨
滞在制作の合間に、
友人と映画を観に行った。
『マタンゴ』(昭和38年・カラー・本編89分)
・特技監督:円谷 英二
・監督:本多 猪四郎
・出演:水野 久美、久保 明、土屋 嘉男、天本 英世、ほか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「マタンゴ」とは、
劇中に出てくるキノコの名称で、
街の若者たちがヨットでクルージングに出かけたのだが、
悪天候に見舞われ、孤島に漂着し、
生きるために飢えや欲望とたたかう、といった内容の作品だ。
詳細はさておき。
とても、おもしろかった。
古きよき時代の技術や美術、
登場人物や舞台背景など、どれをとってもいい雰囲気だった。
観賞後、ふり返ると、
ぼくらを含め、お客さんは「7人」だった。
7人。
劇中に出てきた主な登場人物も、7人だった。
「もしや、このまま・・・」
偶然の符合に、はっとしながらも、
特別、戦慄を覚えるわけでもなく。
小さく笑って席を立つ。
いちばんの符合といえば、
何よりぼくらは腹が減っていた。
いまのぼくらなら、
キノコでもなんでも食べそうな勢いだった。
現に、劇中に出てきたキノコ(を食べる姿)が、
やたらとうまそうに見えのだから。
余韻と空腹を抱えて、劇場をあとにする。
映画を観た場所がまた
古きよき空気をとどめた劇場だったせいもあり、
いったいここがどこで、いつの時代か、
観終わったとき、一瞬分からなくなった。
劇場を出てからも、
時代を超えたアーケードの風景に、
何やら時間旅行をしている気持ちになった。
がっつり制作をしたあとの映画だったので、
かなりおなかが減っていた。
空腹の度合いもあってか、
それとも『マタンゴ』のせいなのか。
その日は「動物性タンパク質」である「お肉」を、
たらふく食べることにしたのであります。
そういったわけで。
『食うか食われるか、激闘編』の今回は、
「食」についての報告になりそうです。
♨
滞在制作中は、主に自炊が中心だ。
ちょっとした料理ならできるので、
朝晩、ちょっとしたものを作って食べている。
それでは、まず朝食編。
トーストに、チーズと焼いたトマトをのせて。 バケットはカリッと焼いて、 鶏肉を炒めたときに出た油を塗って塩をかけます。 |
トーストに、キャベツの芯を刻んでコールスローにしたものを敷いて、 そのうえにチーズ入りのオムレツをのせました。 |
バケットをパニーニにして、 ピクルスの代わりに菊芋(きくいも)の漬け物を添えました。 |
トーストに、セロリの入ったトマトソースを塗って、 プレーンオムレツをのせました。 |
にんにく、ローリエ、鷹の爪、クミン、 塩、こしょう、セロリ、そしてトマト。 トマトソースは、得意なのです。 |
バケットを前の日の夜から漬けこんで、フレンチトーストに。 |
表面をカリッと焼いて、キャラメルソースをかけました。 〜チョコレートビスケットサンドを添えて〜 |
中はプディングのような「とろ〜り感」。 |
ときにはホテルの朝食ように・・・ |
ときには『うまい棒』のキャラクターの顔のように・・・ |
ときにはこんな朝もあります。 |
トーストに、ホイップ on キャラメルソース。 |
お、おにぎりの日も、あ、あるんだな。 |
お米の朝もありますよ。 |
先ほど登場した「ホイップクリーム」。
実は、ちょっとした「激闘」がありまして。
パック入りの、ホイップクリーム。
ふと、食べたくなって買ったのはいいけれど。
泡立て器がないという事実に、
買ってから気がついた。
いまのご時世、
泡立て器くらいならどこでも安価で手に入る。
けれど。
なんとなく、買うのは「ちがう」と思った。
「島にないものは、言っちゃだめ」
と、映画『十五少女漂流記』でも言っていた。
ということで、
ないものは、あるものでつくることにした。
題して、
〜あるものでなんとか泡立て器をつくるの巻〜
ハンガー4本とペンチ類を用意します。 |
「引っかけ」の部分を伸ばします。 |
それっぽい形に変形させます。 |
4本ともを変形させたら・・・ |
それらをひと束にまとめます。 |
束をテープで留めて・・・ |
余分な針金をカットします。 |
先端部分を交互に交わして・・・ |
根元を紐でくくれば「泡立て器」の完成です。 |
笑わないでください。
否、むしろ笑ってください。
ひまじゃないのに、
ついつい手を出してしまう、
「ひまなこと」。
これで、立派な泡(ホイップ)が立ったのですから。
めでたし、めでたし、でございます。
♨
お昼は主に、おかしが中心なので、
ちょっとだけおやつをお見せしましょう。
麩菓子のキャラメルソースがけ。 |
いただきもののケーキたち。 |
岐阜のお菓子屋さん『プルシック』の所シェフが、
現場を覗きにきてくださいました。
おみやげに、
ロールケーキ(所ロール、季節のおすすめロール/抹茶)、
カップシフォンとサブレの詰め合せを
いただきました。
何度食べても驚きと発見がある。
その日はすごくうれしい気持ちで、
制作にも身が入ったのでありました。
♨
夜ごはんは、
とにかく「ごはん」をたくさん食べている。
まるで中高生のように、
ひたすら「白いごはん」をいっぱい食べている。
だから、夜ごはんには、
ごはんの友となるおかずを考える。
鶏もも肉のソテー、キャベツの炒め物 with 白いごはん |
辛いスープ、鶏皮のたれ焼き、 ニンジンとレタスのサラダ with 白いごはん |
豚バラブロックを厚切りにして、塩・こしょうで焼きました。 |
チンゲンサイの青菜炒め |
こちらは手料理の差し入れ。 肉じゃがとアスパラの肉巻をいただきました。 |
ときには外食もするわけで。
そんなときには、
色や形、質感のうつくしさに、
思わず目をぱちくりさせてしまうのであります。
浮き世の花は、現(うつつ)の夢か幻か。
現実は、まるで雲水(うんすい)のごときものでございます。
♨
最後に、制作の友を紹介いたしましょう。
名前は「ボイジロー」。
暗い手元と未来を明るく照らしてくれる、
心づよい相棒なのであります。
さて、いかがでしたでしょうか。
核心をぼかしたままの、
すかすかドーナツ的な中間報告。
次回は何をお伝えすることやら。
乞う、ご期待でございます。
それでは、アディオス!
<next>
・家原美術館2015〜中間報告・其の1
・家原美術館2015〜中間報告・其の2
< 今日の言葉 >
「いや、そういんじゃなくて。ただ、グローバルなだけです」
(誤解を招くような非常識な行動を指摘されての返答)