2012/10/15

家原美術館だより #5





さて。これまでお送りしてきた《家原美術館だより》ですが。今回で最後と相成りました。
長らくのご清聴、誠にありがとうございました。

《家原美術館》の展示報告。
最後は「2階洋室」「茶室」の模様をお伝えいたします。
どうぞごゆるりと、ご覧くださいまし。





中庭から。左手奥に見えるのが「和室2」。
その手前、右手に見える洋館の2階に「洋室」はあります。









橦木館(しゅもくかん)の正面玄関。玄関を入ってすぐ、
右手の階段を上がると「2階洋室」へとつづきます。








2階への階段。赤い絨毯(じゅうたん)が、白い壁と
こげ茶色の腰板に
映えます。左手カーテン奥は、お手洗いです。









階段をのぼり切ると、目の前に「2階洋室」があります。








自然光の差し込む、明るい室内。かつては外国から訪れた
来賓のための「ゲストルーム」だったそうです。








左《ピンクの怪物》、右《涙》。「2階洋室」には、
2008年、2009年の油絵作品を中心に飾りました。








動線と展示場所の確保のため、部屋の中央に白い「柱」を設置しました。
H1820 ×  W450。材質は4ミリ厚のラワンベニヤで、白ペンキ仕上げです。








左から《チョコレートに溺れたい》《ぼくはだれ》
《石に囲まれた木》《やすらぎ姫》。








いちばん左、見切れてしまっているのが《動物人間》。
その右が《神さま》、そして《ダンとの思い出》。








《動物人間》や《ダンとの思い出》などの額は、
「ふすま」の廃材を使ってつくりました。右は《全部出ちゃった》。








中央の白い柱には、油彩のほかに、木彫画をいくつか飾りました。
こげ茶色の木枠に赤いフェルトの額は、洋室をイメージしてつくった額です。








中央に《ウイングチップ》。
お気に入りのドイツ製のウイングチップがモデルです。








左上から順に《飛んでっちゃった》《クリスタルマン》《偶然地球最後の日》
《New Year Girl》《エロで片づけられた灰皿》。








柱正面、上から《石畳と樹》《桃色の女性》。








上から《飛び出しちゃった》《やさしい巨人》。
ともに油彩の作品です。








入って正面、北面の壁には、色の多い絵を飾りました。
北面からふり向くと、上の写真の絵が見えます。











東面を背に、西面を見たところ。作り付けのタンスには、
かつてシーツやふとんなどの「リネン」類が入っていたそうです。







ふたたび中庭へ。左手に見える黄色い壁の建物が「茶室」です。
正面奥、木のすきまに見えるのが「和室2」です。








別角度、「和室2」の縁側から中庭を見たところ。
庭木の奥に見えるのが「茶室」です。








「茶室」の北面。茶室の中には上がれないため、
外からのぞいてもらう形の展示です。










左から《金閣/前》《金閣/左》《金閣/右》《金閣/後》。
茶室に合うような箱形の額をつくりました。



同じ角度で、露出を変えた写真。4枚の《金閣》のうしろには、
《色の魔人》(H900 × W600㎜)を飾りました。










4枚の《金閣》を背面から見たところ。箱額を真鍮(しんちゅう)の棒
1本で支える形がきれいだと思ったので、そうしました。










《No Way(反抗的なロケット)》は、包装紙の裏に描いた絵です。
絵の上下を木の板ではさんで、掛軸のようにして飾りました。











右手に《うろこの魔人》。壁にかけてあるのは《ピンバッチジャケット》で、
『家原コレクション』のひとつ。観光地などで買ったピンバッチが、たくさんついてます。





ピンバッチジャケット》。着ると鎧(よろい)のような重みがあります。




その重みこそが、きっと「ばか」の重さなのでしょう。






いかがでしたでしょうか。


以上が《家原美術館》の展示のようすです。

存分にたのしんでいただけたでしょうか。




「もっと見たい」


「是非ともまた展示してほしい」


「おかずなしでも、白いごはんが何杯でも食べられる」




そんなお声があれば、

絵や彫刻はもちろんのこと、

『家原コレクション』の展示なども

してみたいと思っておりますゆえ、

どしどしご応募くださいまし。



みなさまの清き1票が、

家原利明の明日へとつながります。

みなさま、どうか家原利明、

家原利明に、

是非ともご投票ください。



刹那(せつな)の宴(うたげ)《家原美術館》。



本日は遠路はるばるお越しいただき、

誠にありがとうございました(敬礼)。










それではみなさま。


またお目にかかる日まで、


御機嫌よう。



そしてこれからも

どうぞよろしくお願いいたします。





家原美術館 元副館長/家原利明


















































★《家原美術館だより#1》〜 7歳の女の子とぶたまんじゅう の巻
★《家原美術館だより#2》〜 緑色のボールペン の巻
★《家原美術館だより#3》〜 120円とキーホルダー の巻
★《家原美術館だより#4》〜 和室2は28畳もあるんだってさ の巻








< 今日の言葉 >


「あたたまろうと したんだねぇ この子は・・・」と

人びとはいいました。

けれども この子が 死をまえにして

どんなに よろこんで

新しい年へ たびだっていったか ――

だれひとり かんがえた人は いませんでした


(『マッチうりの少女』/ハンス・C・アンデルセン)










2012/10/07

家原美術館だより #4











































《家原美術館》の展示期間が終わって、

早いもので20日が過ぎました。


もう、すっかり昔話のような感じですが。

まだまだお見せしていない箇所があるので、

《家原美術館》の展示の模様を、

引きつづきお伝えいたします。



今回は「和室2」「蔵」

展示風景をお伝えいたしますので、

どうぞごゆるりとご覧くださいませ。








中庭より。向かって左手に見える棟が「和室1」で、
正面に見えるのが「和室2」です。




















和室2の風景。暑いけれど、外の風を感じてもらいたかったので、
冷房はつけませんでした。扇風機を回しての展示です。









和室2に入ってすぐ、「お名前書いて帳」と、
その奥の机には作品集が置いてあります。








たくさん飾りたかったので、床置きの展示を考えました。








奥の壁、左に見えるのが《家原健三郎》。ぼくのおじいちゃんです。
その右が《うまと蝶々》と《神さまのロボット》です。








《鳳凰》《お城王子》《ハイ、ワカリマセン!》など、
小さな作品もたくさん飾りました。








奥のふすま、左端《頭が光った》。今回みなさんにお渡しした
「家原美術館限定手ぬぐい」の元になった絵です。








中庭からは、風だけでなく光もさんさんと差し込んできます。
むかしの人は、こんなにきれいな光と影に包まれて
生活していたんだな、と感じました。







《派手な鎧(よろい)を着た姫》と《コントロール不能》。








《考えるまでもない》と《少数民族部族》。








《やさしい魔女がリンゴをくれた》と《優等生には分からない》。








左から《公園マン》《イソギンチャクの花》《手をふる人魚》。








同じく左から《野良猫》《やさしくて強い動物》
《空を飛んだイカルス》《ミラーボールガール》。








床の間に飾ったおじいちゃんの絵に、
雑貨屋さんとコーヒー屋さんのお2人からいただいた
フルーツ盛りをおそなえしました。








床置きの絵を45°に支えるための「脚」。
9㎜厚のラワンベニヤでつくりました。








左手《機関車(N1974)》は、展覧会が終わって、
ぼくの手もとからお客さんのもとへと旅立ちました。








古い鏡台と《海の生きもの》。







右手が「和室2」。
縁側(廊下)の先は「和室1」です。








「蔵」は、和室1の北側、
坪庭を抜けたところにあります。









こちらが「蔵」の中のようすです。
今回の展示での「蔵」の役割は、自分の『内面』や『過去』を伝える場所。
蔵の中央にベンチを置き、じっくり眺めてもらえるようにしました。









ほの暗い蔵の中、2002年ごろから2009年の作品まで、
スクラップ・ブックみたいな感じで、めちゃくちゃに飾りつけました。









蔵の作品展示数は50点ほど。四方の壁をぐるりと取り巻くように飾りました。
右手に見えるのが《夜》という作品です。






 



・・・以上。


和室2、蔵の展示は、こんな感じです。




お送りいたします。


それでは、また。

次回をおたのしみに。



★《家原美術館だより#1》〜 7歳の女の子とぶたまんじゅう の巻
★《家原美術館だより#2》〜 緑色のボールペン の巻
★《家原美術館だより#3》〜 120円とキーホルダー の巻











< 今日の言葉 >


「はい、敬語は得意ざます」

(「えっ、『ざます』って敬語じゃないの?」)