やりたいこと、やろうと思っていたこと。
たのしいことが続いたせいで、
ついつい立ち止まらずに突っ走って。
気づいたら、ものすごい熱が出た。
39.8℃。
平熱が35℃台なので、
39℃といえばえらい熱だ。
背中がぞわぞわしていたので、
たぶん熱があるんだろうと思っていた。
けど、測ってしまうと「うわっ」となるので、
測らずに、だましだまし1週間すごした。
学校も、授業があるので休むわけにいかない。
「かわいい生徒たちが待っているのだ」
そんなひとりよがりの使命感に燃えつつ。
異変に気づかないふりをして、毎日早起きをした。
不規則な生活がすでに
規則的になっているぼくにとって、
5日つづけての早起き生活なんていうのは
何十年ぶりかのことだった。
仕事が明けて。
家に戻ると、どっぷりと熱が出た。
分かりやすいほどの「安心感」で、
熱が「解放」された。
そして、粘膜をやられた。
喉、舌、歯茎。
たぶん、胃腸なんかがやられた影響だ。
4日で4kg減。
ガリガリにやせて、体の線が頼りない。
ペラペラになった体を見ると、
競技前のスイマーみたいだった。
熱のせいか、それとも
飲み慣れない薬のせいなのか。
眠っていると、変な夢を見たりするし、
起きても、変な感覚でふわふわする。
立体のはずの「景色」が、
平面的に、薄くスライスされたみたいに連なって、
視覚的にも、触覚的にも「層」になって感じたり。
壁や扉とか、
いろんなものが、
分子構造でできてるみたいに、
粒子っぽく感じたり。
目に映る景色が、
妙にざらついた映像で、
やけに色が鮮やかで、
ゆっくりとスローモーションに見えたり。
4日間、とにかく寝た。
自分が忍者になる夢も見たし、
パリコレで作品を発表する夢も見た。
電飾でピカピカに光る衣装。
真っ黒い肌に、真っ黒のマスク。
パリコレの下見に、なぜか関根勤氏とでかけていた。
忍者のぼくは、
忍者のくせにめちゃくちゃ普通に生活していた。
背負っている刀の鞘(さや)をふすまにぶつけて、
「あ、ごめん。柱、ちょっと傷ついたかも・・・」
とか謝っていたし、
腰にいっぱい鍵とか
キーホルダーなんかをつけていた。
とにかく、みんなにやたらと声をかけられて、
やたらと目立つ忍者だった。
天気のいい昼下がり。
起き上がって絵を描いたりして、
ぼんやりと外を眺めた。
ぼくは、絵を描いて、
いろいろな場所に行きたい。
ケンコーイチバン。
あたりまえのことにありがとう。
タバコ、もう5日くらいは吸ってない。
熱が出ると見る夢。
チョコレートみたいな、
パソコンのキーボードみたいな、
でこぼこした板の上に寝そべっている夢。
中学3年のとき、
ボコボコに殴られて40℃以上熱が出た。
口の中が切れていて、
舌で探るとどんどん入った。
タオルを当てても、血がちっとも止まらない。
バスに乗って医者へ行くと、
もう少しでほっぺたが貫通するくらい、
深い傷だと言われてすぐ手術した。
遠足の前日。
おやつを買いに行ったその足で、
ものすごくでっかいうんこを見つけて、
「マンモスうんこだ」
と、大はしゃぎして。
棒切れにそいつをべっとりつけて、
わいわい言いながら、壁やら看板やら、
あちこちにそいつをつけまくって。
床屋のおっさんに見つかって、
すぐに学校に呼び出されて、
あやうく遠足に行けなくなりそうだったところ、
いっしょうけんめいあやまって、
なんとか遠足には行かしてもらって。
あとで聞くと、
遠足の当日に、校長と教頭が頭を下げ回って、
べっとりついたうんこを掃除して回ったと。
熱にうかされて、
どうでもいい記憶が浮かんで消える。
結局いつも、
だれかに迷惑かけてる気がする。
いくつになっても、
いつもだれかに叱られてる。
たぶんぼくは、いい子じゃないだろうけど。
みんなが笑ってくれれば、ぼくもうれしい。
そう思うのも、たぶん熱のせいだ。
飲み慣れない薬のせいだ。
クイズ『うんこ de ちんちん』
司会のウンコモリゾウです。
アシスタントのチンチンです。
どうぞよろしく。
熱にうかされて、
少し、変になっちゃった。
< 今日の言葉 >
プリンセス王子 VS エッグ玉子
(特に意味はない組み合わせどうしの対決)