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2021/01/20

視覚的旅行記2:タイ・コマック上陸記

 






さて。

今回はタイ滞在記、

其の2であります。


其の1をご覧になっていない方、

または、すっかり忘れてしまった方は、

『視覚的旅行記:泰国1日目』

をご覧ください。


今回もお写真を中心に、

タイでの出来事をお伝えしようという

腹積りでございますゆえ、

どうぞじっくりおたのしみくださいませ。


さあ、いざ、

コマック(Koh Mak:マック島)へ!







バンコクの朝。

エカマイのホテルから見える朝日。

現地時間6時ごろの起床。


遠くのビルが、

熱帯魚みたいに青かった。


身支度をしてホテルをチェックアウト。






荷物を持って、

昨日、下見をしたバスターミナルへ。


おかげで迷わず到着。

無計画な旅行であっても、

行動だけは用意周到。


早めに着いたので、

バスターミナルを散策。





そう思っていると、

お祈りの時間。


タイにはお祈りの時間があって、

そのときにはその場に立ち止まり、

じっと祈りを捧げなくてはいけない、と。

いつかどこかで聞いたことがあった。


(タイでは、朝8時と夜6時の1日2回、

 お祈りの時間があって、約1分間、

 スピーカーから国歌が流れます。

 国歌が流れている間は、その場に静止、

 直立して敬意を示さなければ、

 たとえ外国人であろうと、

 処罰の対象になりうるとのことです)







国歌が流れ始めると、

風景の中で、たくさんの人々が静止した。


およそ1分間。


国歌の演奏が鳴り止むと、

何事もなかったように、

人々が喧騒の中に溶け込んでいった。


そのさまは、

だるまさんがころんだのような、

タイムストップの時計のような、

不思議な光景だった。


お祈りの時間を

体験できたことに喜びを感じつつ。

バスターミナルを散策。























































ターミナルに停まった長距離バス。

それを待つ人々。


ターミナルのお店には、

たくさんの食品やスナック菓子が

所せましと並んでいる。


ここでもやはり、

「美しき陳列(ちんれつ)の国」を感じた。


お菓子天国!

(お菓天)


スナックパラダイス!

(スナパラ)


本当は全部食べたかったが。

島には、

なるべく軽装備で行きたかったので、

コーヒーを飲んで、

バスを待った。


たっぷり散策を楽しんで。


9時ごろバスに乗り込み、

トラートに向かって、いざ出発。


コマック(マック島)は、

タイの端っこ、

ほとんどカンボジア寄りにある。












バスに乗り込むと、乗客ひとりひとりに、

15×20㎝(高さ10㎝)ほどの箱が配られた。


開けると中には

コーヒー(インスタント)セットと

菓子パンのようなものが入っていた。









紙コップに粉を入れて、

おとなしく待っていると、

バスの乗務員(2人いるうちの1人)の男性が

回ってきて、前の席から順に、

ポットで熱〜いお湯を注いでくれる。


なんというサービス!


郷に行っては郷に従え、と。

コーヒーの粉は、

ミルク&シュガーのほうも

余すことなく全部投入した。


飲んでみると、甘かった。

非常に甘かった。


そこに、甘い菓子パン。


大変甘いサービスだった。


とはいえ、

アメリカ西海岸の

バーガーキングで食べた

ラズベリーチーズケーキほどの

暴走的な甘さではない。


あれは、甘さの上に、

何枚もの甘みを重ね着して着膨れしたような、

甘味以外の何物でもない代物だった。


脳髄を突き抜けるような甘さ。


あまりの甘さに、

味覚ではなく、

脳みそが先に反応したほどだ。


だが、それもそれで、悪くはない。


その土地のものは、

その土地だからこそ、

おいしく、たのしく味わえる。




































バスが、走る。


街を抜け、村々を駆け抜け、

1本になった路(みち)を、ひた走るバス。


途中、バスターミナルでの休憩があった。

休憩というより、散策。


トイレはバスについている。

おもしろそうだったので一度、

用を足してみた。


ゆれるゆれる。


悪路でバウンドするバスに、

支えるべきものが多すぎて、

衣服やトイレを汚さないようにするのが

至難の業(わざ)だった。


笑いながらの一大任務だったが。

これがラージ(大)の用なら、

とても笑っていられないな、と思った。


ターミナルでも用(小)を済まし、

ゆれない大地に感謝。


時間いっぱい、あちこち歩き回る。

おもしろそうなお菓子を買って、

バスに戻る。


いくつもの街、村落を越えて、

亜熱帯的風景の中を走る。


あの山を越えるのかな、

と思っていたら、

まっすぐだった道が

ぐねぐねと曲がりくねって、

トンネルなしで山を越えて行った。



途中、乗客の女性が、

バスの床に大量の氷(クラッシュアイス)を

バラバラララー!と、派手にこぼしたり。


横に座る乗客女性が

ヘアバンド(?)をアイマスクに代用したりしながら、

バスは一路、トラートに向かって

走り続けた。


景色が見たくて。


どこへ行っても、

バスや電車で眠らないぼくは、

ここでもやはり眠らなかった。


約6時間。


バスは、

ようやくそれらしき場所で

停車した。


ここがどこなのかは

よくわからないけど。


とにかく、バスは停まった。


そしてこれ以上先に、

走る気配はなかった。


終点。


荷物と人を降ろしたバスは、

いま来たほうへと戻って行った。


ここは、港町。


ではあるけれど、

さて、ここからどうしたものか。


ここからすぐに

コマック(マック島)への船に

乗り継げるものだと。

そう思い込んでいたのだけれど。


実際には、そうではなかった。


さて。


話を聞けそうな人がいる軒先で、

これからの目的地について話してみる。


するとそこは、

乗船場のある港まで、

車で運んでくれる窓口だった。


あれこれ話して、交渉成立。


車は、いわゆるタクシー(セダン)ではなく、

荷台に幌(ほろ)のついた、

2シーターのトラックだった。











トラックの荷台に乗り込む。

荷台乗るのは、

引越しのバイト以来、久々のことだ。

運転手の女性は、

慣れた手つきで車をあやつり、

港のほうへと向かって走る。


荷台からのぞく景色。

どんどん後ろに遠ざかって行く路面。

路面の色が、景色が、

それとなく、

港に近づいていることを教えてくれる。


























港に到着。


バスを降りた場所からほんの10分足らずの距離。


時計は見ていなかったけれど、

あとで写真の情報を見てわかった。


ぶっちぎり運転だったし、

景色の変化も大きかったので、

実際よりも長距離に感じた。


トラート港。


これまでのほとんどがそうだったが。

どれも、想像しているものとはまるでちがう。


これから行く場所の情報を調べたり、

事前に「景色」や「風景」を見るのが好きじゃないので、

いつも、現場でびっくり驚く。


本当の初見。

初対面。


それが好きだ。


港も、想像以上にこざっぱりしていて、

船乗り場以外に何もない。


毎度毎度、思うこと。


「本当にこれでいいのかなぁ」


けれど、たしかによさそうだ。

そんな気がする。

いや。

コマック行きと、

しっかりここに書いてある。


船の時間までは少しある。


とにかく、お腹が減っていた。


お菓子や菓子パンじゃなく、

しっかりしたものが食べたい。


ということで、

いま来た路、

長〜い桟橋をひたすら歩いて戻った。


車だと一瞬の距離でも、

歩くとやたら冗長に感じる。


だから、景色を楽しむ。

そうすれば、はやく着く。

























港から桟橋を渡りきった場所。

1軒のお店。


入ってみると、

生活雑貨を売っているほかに、

ちょっとした食事もできそうなお店だった。


いまから食事ができるか聞いてみると、

お店のおばちゃんが、できると言った。


尿意半分好奇心半分。

トイレを貸して欲しいと尋ねると、

20バーツだったか、

有料で使わせてくれた。


手桶で水をくんで、

自分で流すタイプのトイレだった。


いったん、テーブルのある席について、

読めないメニューを見ながら、

ガパオガイのようなものを注文した。


待っている間、

お店を散策。


店内には

生活用品などの商品が並んでいて、

私物と商品との区別がつけにくかった。

床は、ところどころひび割れ、欠落した、

砂のかぶったコンクリート。

開け放たれた店の間口。

広々と、それでいて雑然とした店内。


その感じがとてもよくて、

店の中を見て回っていると、

赤い服のおばあさんが台所に立ち始めた。


















立ち上る赤い炎。

熱々のフライパンに落とされ、泡立つ卵。

分厚い包丁とまな板でこま切れにされる鶏肉、野菜。


ぼくは、1から準備して、

いまから作ってくれることに、

感謝と贅沢さを感じた。


そんなふうに作ってもらったガパオガイは、

おばあちゃんの手料理のようなやさしさと、

本格的な美味しさとがからみ合う、

おいしい食事だった。






港に戻って、船を待つ。

雨が、降ってきた。


ちらほらと人も集まりだした。


雨足が少し強くなり始めたころ、

船は、やってきた。



にわかに人でにぎわう船着場。


乗務員・係の人と、

一般客との見分けがつきにくかったが。


係の人めいたおばちゃんから切符を買うと、

1人1枚、ビニール袋が手渡された。


ビニール袋かと思われたそれは、

薄手の「合羽(かっぱ)」だった。


フード付きで、

手首にゴムの入った、

プルオーバーパーカー型の

合羽だった。


紫や水色など、

何色かある中で、

ぼくのは薄いピンク色だった。



荷物を船倉にしまってもらって、

船に乗り込む。


自分の席は、

後ろから2番目の列だった。


いちばん後ろには、

お坊さんたちが座っていた。

年配のお坊さん1人と、

すこし若い感じのお坊さんが2人。


「あ、お坊3(さん)だ」


と、思った。



お坊さんたちは、合羽ではなく、

傘をさして、雨をしのいでいた。


傘も、

袈裟(けさ)と同系色の、柿色。


3人のお坊さんに対して、傘が2本。


年配のお坊さんが1人で1本、

若い感じの2人が「相合傘」で

1本の傘に身を寄せ合っていた。



船が、動き出した。

速度がどんどん早くなる。


顔面を叩きつける雨粒。


耳には、風の音と

モーターの音しか聞こえない。



ゆれるゆれる。

はねるはねる。

























しだいに雨足が弱くなり、

視線の先に、島影が淡く浮かんできた。


およそ50分ほどの航行で、

船は、島に着いた。



『ようこそコマックへ!』


おそらくそう書いてあるにちがいない垂れ幕。



マック島に上陸。



到着はしたものの。


さて。


こんどはここから宿まで、

どうしたものか。


そんなことを思っていると、

1人の女性が近づいてきた。


どうやらその女性は、

これから行く宿の主人らしかった。



話によると、

宿の主人たちは昨日まで

バカンスで出かけていたとのことで、

昨夜、ようやくメールを見て、

予約を知ったと。


だから今日、

船が着くたび港に来て、

「予約客」の到着を待っていたとのことだった。



安堵やら申し訳なさやら、

いろんな感情が入り混じった顔で、

彼女は「お客」を迎えてくれた。


(よくよく考えると、
 なかなか危ない「奇跡」だった。
 もし、主人の帰宅が
 何日か遅れていたらと思うと。
 ・・・・危ない結末だった)



港から宿までは、

主人が手配してくれた車で運んでもらえた。



これからお世話になる宿は、

コテージ型の建物が点在する、

リゾートホテル。


楽器やビリヤード台などが置かれた

食堂のある「本館」の周りに、

こぢんまりした離れ家がいくつかある。


海辺を望む界隈(かいわい)に建った、

なかなかしゃれたつくりの宿だった

















































窓から壁をつたい、

浴室にはびこる、南国植物。

バカンス帰りでなければ、

おそらくその植物も処理されていただろう。


用を足してると

ときどき頭をなでてくれる、

名も知らぬその植物が、

ぼくにはいとおしかった。


浴室にはかならずゲッコ(イモリ)がいて、

どんなときでもひとりぼっちには、ならずにすむ。


寝室の壁には、

おそらく施工中に身を横たわらせたイモリが、

魚拓のように自分の「型」を残した痕跡が

いくつもあった。



それをまぎらわせるかのような、

くぼみと出っぱりの意匠(いしょう)がある壁。


イモリぎらいの人にはおぞましい宿だが。

広さもちょうどよく、

とても居心地のいい部屋だった。


外には、宿の人が飼っている犬がいて、

歩くぼくらの傍(かたわら)について、

野犬や蛇などの外敵から守ってくれる。



歯みがきのとき、

コップに落ちたイモリの糞には

気をつけなければいけないが。


なんともやさしく、

頼もしい動植物たちのいる、

すてきな宿だった。














































島内での移動手段は、

主に、バイクだった。

125ccの、スクーター型のバイクだ。



本来なら、

日/何バーツといった形で

レンタルするのだが。

先に述べた、

宿のご主人の「申し訳なさ」の気持ちからの計らいで、

バイクは乗り放題でいいということになった。


これはうれしい。


宿は、少し奥まった場所にある。

どこへ行くにも、徒歩では厳しい。



島でのバイクは、

ノーライセンス(免許不要)、

ノーヘル(メット)OK

2ケツ・3ケツOK、

何ならアルコールもOKという、

夢のような乗り物だった。


ただし、

ガソリンがなくなったら、

自分で入れること。


そう。

まさに、

夢のような乗り物だった。



コマック初日。


嘘みたいな嵐だった。


スーパー豪雨で、

部屋から外にも出られないような状態だったが。


あいにく、腹は減っている。


先に述べた理由で、

宿の食堂は、すぐには開けない状態だった。



船着場でもらったのとおなじ、

薄手の合羽。


宿の主人が、

それならいくらでも使っていいよと、

紫やピンクや水色の合羽を出してくれた。


新品ではない、使い古しの合羽。

それらを重ね着し、

身体じゅうに巻きつけるようにして。


バイクにまたがり、

嵐の中へ飛び出した。


宿からつづく道は、

原生林に囲まれた、舗装されていない砂利道。

道は、ところどころ濁流に飲み込まれ、

小さな川と化している。


なるべく水たまりを避けながら、

とはいえ避けきれない局面では、

両足をV字開脚しながら、

すみやかに濁流の中を突っ切った。


跳ね上がる泥の水しぶき。

視界をさえぎる大量の雨。


昨日までの「都会」が嘘のようだった。


あたりはすでに暗くなり、

街灯のない夜道では、

バイクのヘッドライトばかりが頼りだった。


知らない島でのバイク移動。


集中力、判断力、記憶力。


舗装された道路に出るまで、

ものすごく時間を要した気がする。


そこでようやく、

1軒のお店に出会えた。


おしゃれな感じの、

グロッサリー・ショップ。


百貨店の中にあってもおかしくないような。

そのときはそんなふうに見えた。


靴を脱ぎ、裸足で入店。

足元の、分厚いタオルの敷物で足を拭く。


はやる好奇心をなだめつつ。

店内を物色。


気になるものはたくさんあったが。

とにかく、食べれそうなものを買って帰った。




翌日。


激しかった雨が弱まり、

もう少し先へと足を延ばす。



雨に沈んだメインストリート。

赤茶色の濁流。


ニュース映像とかで見たことがあるような、

そんな風景の中をバイクで進む。



横なぐりの雨で、

目が、開けられない。



日用雑貨のお店で、

雨から視界を守るため、

サンバイザーを買った。


そこで、洗濯物を干すための、

ビニール紐もいただいた。



そんなふうにして、

道に、バイクに、島の地理に、

実地で慣れていった。





北へ南へ。

東へ西へ。


バイクを走らせ、

道を、島を、開拓した。



赤土の道路。

海へと伸びる桟橋。

謎の彫刻物。

天然ゴムの、ゴムの木の森。



天気は回復し、

晴れ間も見えてきた。



すると、

どこからともなく、

いなかったはずの人の姿が

あらわれはじめた。




























































島の大きさは、

直線距離で東西約7.3㎞、

南北約5.3㎞。

面積約20㎢、

海岸線距離は約27㎞という

小さな島だ。


規模でいうと、

三重県の答志島(とうしじま)くらいの感じだろうか。


ノーヘルバイク、

鍵つけっぱなし駐輪など、

かつて訪れた島との共通点もある。


港につづく、メインストリート。


嵐が去った翌日には、

物資を運ぶ人々や、

食料などを買い求めに来る人で、

ずいぶんにぎやかに感じた。


どこからともなく、

放し飼いの犬も集まってきた。


メインストリートには、

洋品・雑貨店、食堂、食材・日用品店、

日用雑貨店などがならぶ。


さらに進むと、

ドーナツショップや寺院、食堂、

ガソリン店、ビリヤード場。


ガソリン店の路地を右に進むと、

派手な服を着たおばちゃんの営む食堂と、

お菓子やアイスクリームなどが買えるお店がある。


そのまま坂を登って左に曲がると、

島の内周道路を周回することができる。


ガソリン店の路地を左に回っても、

おなじく島を周回できる。


島の北西には、

リゾートエリアがあり、

しゃれたカフェや飲食店、

土産物屋などが連なっている。


嵐のおかげで、

しばらくはそんなしゃれたエリアがあることも、

知らなかった。


そんなせいもあってか、気づくと、

島民が通うようなお店ばかりで買い物をしていた。


メインストリートに並ぶ、4軒のお店。

ぼくは、その店々がすごく気に入っていた。












































日用品店のおじさんは、

アイラインを引き、

眉毛を黒く書いていて、

一見いかつく見える。


けれども、

バイクのエンジンがかからなくて困っていたとき、

さっと出てきてエンジンをかけてくれたり、

閉まっているお店(洋品・雑貨店)の店員さんに

声をかけて、お店が開くのを手伝ってくれたり。

すごくやさしい人柄だった。



ある日、

サンバイザーを買ったお店の隣の、

眉毛のおじさんのお店に入ったとき。


なんと。


ぼくの「にせもの」と遭遇した。


赤い、タータンチェックのサンバイザーに、

派手なピンク色の上着、

茶色のズボンにビーチサンダル。


ディテールこそ違えど、

ぱっと見、ほぼ自分だった。


自分のにせもの。


向こうからすれば、自分のほうが、

にせものなのかもしれない。















ぼくの「にせもの」は、

男性ではなく、女性だった。


そしてぼくは、長身で、

少し派手目のスパッツを履いていた。


タイの辺境の島、コマックにて。

ちょっとした、

プチ・ドッペルゲンガー体験を味わいつつ。


バイクに乗ってすれ違う人々が

やたらと笑って手をふってくれるのもうなずけた。


島の中の男性で、

自分は、えらく色が多かった。


手をふりながら、

こんなふうに思っているに違いない。

あいつ、またうろついてるな、と。


手をふるぼくに、手をふり返す人たち。


島のみんなの笑顔は、

裏表のない、まぶしいほど純粋な、

きれいな笑顔だった。



































コマックの雑貨屋さんで買った洗面器。

滞在中はもちろん、帰国後のいまでも使っている。


『DO NOT DISTURB.』

ではなく、

『DON'T  CALL ME.』

と書かれた洗面器。


色は赤が好きだが。

青の洗面器の、図柄も気に入っている。


『BOY AND GIRL』


英字と絵柄の位置が逆。


こんなところに、かつての日本、

80年代の英字ブームを思い返す。


英語ならまだしも、

よくよく読んでみると、

アルファベットで書かれた英文字の羅列。


「KON NICHI WA !  

 BOKU, YOKIDARUMA.

 ISSYO NI ASOBO- YO!」


そんな青臭い時代を反芻しながら、

タイ・コマックで買った洗面器を使う毎日。


「 TANOSHI KATTA NA, Koh Mak.

  MATA IKITAI NA !」





・・・以上。


今回はここらへんで

おしまいにさせていただきます。


次回はコマックの食堂、

フラファンのお店をはじめ、

島での日々のつづきを

お伝えするつもりでおります。


乞うご期待。


それでは、サワディークラッ!








< 今日の言葉 >


「めっちゃアロい」


(タイ語で「おいしい」のことを「アロイ」といいます)