2010/09/18

いろいろな箱のなかで


「いろいろなイスとテーブルみたいなイス」(2010)




世界中にはまだまだ、
行ったことのない国や
行ったことのない場所がある。

行ったことのある国や場所よりも、
行ったことのないところの方がだんぜん多い。


行ったことのない場所。


これから先、
行くことになる場所もあれば、
一生、行かないままの場所もある。


高台に登って景色を見下ろすと、
ビルとか家とか、たくさんの建物が見える。

建物には窓がある。

数えきれないほどの窓。
ざっと見ただけでも、
窓の数と同じくらいの部屋があって、
それと同じだけ個別の「生活」がある。


部屋は、
ほかの場所から区切られた空間であるとともに、
ある意味で、独立した「国」みたいなものでもある。

インテリアや音楽の趣味性、
食べるもの、着るもの、
信じてるものとか決まり事だとか。

部屋に暮らす人たちによって、
それぞれちがう。


それぞれ、「部屋」という単位で区切られた
独自の「文化」がある。

似ているようで、みんな違う「部屋」。


ずらりと並んだマンションの部屋も。

同じ間取りだったとしても、
住んでる人で、かなり違う。

お父さんの部屋とお兄ちゃんの部屋では、
まったくちがうと思うし、
同年代でも、
好みや習慣、これまでの積み重ねなんかで、
ぜんぜんちがう「部屋」になるはずだ。


部屋は、その「人」と、
その人たちの「文化」を映し出す。


ぼくは、いろんな部屋を見てみたい。

いろんな場所を見てみたい。


世界は、部屋という箱が
たくさん集まってできているのかと思うと、
ちょっとおもしろい。



世界には、そんな「箱」がたくさんある。

箱が集まって、家になったり、
箱が集まってビルになったり。

たくさんの箱が集まった場所が街になって、
たくさんの箱が集まって、
ひとつの「国」ができている。


いろいろな「箱」。

もっといえば、人そのものが、
独立した1個の「部屋」でもある。


まだまだ知らない、たくさんの「部屋」。

ぼくは、いろいろな「部屋」を見てみたい。
いろいろな「部屋」をのぞいてみたい。


こっそりのぞくのではなくて。


その部屋の窓をまっすぐ見つめて、
正面のドアから中に迎え入れられたい。


その部屋で、
チェッカーズの音楽でも聴きながら、
ツイスターゲームをしたり、
ミルクティーを飲みながら
原宿ドックを食べたりして、
くつろぎたい。


いろいろな箱。

いろいろな箱で、くつろいでみたい。


ぼくの箱は、散らかってるけど。

かとうれいこのポスターとか、
おニャン子クラブのレコードもあるから、
たぶんゆっくりくつろげると思う。

ハート形の氷の入った、
冷え冷えのカルピスも用意するから。

ね。


< 今日の言葉 >

「ちょっと、貝柱が見えてるよ!」
(何を注意されたのか分からないけど、
 ちょっとはっとする言葉)