2010/06/28

未来の少年


最近『未来少年コナン』を
また観直したくなり、
DVDを買った。

あらためて観直してみて、
すごかった。


やっぱりコナンはすごい。


ぼくは、コナンみたいになりたい、
ずっと思ってきたのだけれど。

いま、あらためて観直してみて、
いろいろ見え方が違っていることに気づいた。


高いところから飛び降りても、
ビリビリと足がしびれるだけで骨折することもなく、
すぐに歩き出せるコナン。

飛行機の翼の上や、
高い塔などの縁(へり)に足の指でつかまって、
落ちそうになりながらもはい上がってくるコナン。

水のなかで、長いあいだ息を止めていられるコナン。

重たい岩を持ち上げたり、
鎖を引きちぎったりするコナン。


そんなふうに。

いままでは、
コナンの「人間ばなれした能力」にばかり目が向いていた。


今回、観直してみて。

いままでとは違い、
コナンの「人間くささ」が目に留まった。


物心ついてから
初めて出会った「女」という存在、「ラナ」。

ラナの服を洗いにいくよう言われたコナンは、
彼女の衣服の匂いを嗅いで、


「へんなニオイ」


と、はしゃぎまわる。


そんなコナンが、
だんだんラナのことを大切に思い、
ラナとの関係を築いていく。


大切な人を亡くして、
感情のやり場が見当たらず、
表現方法も分からぬまま、
力つきるまで暴走するコナン。

その悲しみを糧にして、
広い世界へ旅立つコナン。


そんなふうにして、
コナンが「成長」していく姿に、
今回は意識が向いた。


コナンとラナの関係。


この2人の「信頼関係」については、
以前からも強く印象に残っていて、

「いい関係だなぁ」

と思っていたのだけれど。


今回、観直してみて、
その深さにあらためて驚かされた。


「助けにくるまで、泣いちゃダメだよ」


と、コナンが言えば、


「コナンがくるっていったら、絶対にくるから」


と言い切るラナ。



裏づけのない確信。

ものすごい信頼関係だ。


夫婦や恋人どうしなどが、
信頼関係を試す「テスト」のようなもので、
直立姿勢のまま目をつぶって後ろに倒れる、というものがある。

背後には、相手(パートナー)が立っている。

相手が絶対に支えてくれると信じていれば、
倒れる側は目を開けることなく、
姿勢を崩すこともなく、
直立姿勢のまま後ろに倒れ、
相手にしっかり受け止めてもらえるのだ。


ラナは、
足場のおぼつかない高い場所でも、
コナンに飛びつく。

コナンが必ず受け止めてくれると信じているからだ。


お互いが引き離されそうになるとき、
互いに名前を呼び合う。


「コナーン!」


「ラナー!」


お互いが相手を思う気持ちには、
狂気」すら感じる。


ラナに会いたい。


その一心で、
コナンはどんな危機にも臆することなく、
迷わずどこへでも飛び込んでいく。


コナンを信じ、待ち続けるラナも、
待っているばかりではなくどんどん強くなっていく。


どんどん強く、
どんどん大きくなっていくコナン。


しだいにコナンは、
ラナという「個人的な」動機に留まらず、
もっと大きなもののために危険を冒すようになる。


そんなコナンのひたむきさが、
周囲の人たちにまで波及(はきゅう)して、
みんなが少しずつ「変わって」いく。


やっぱり、コナンはすごいやつだ。


コナンのよき仲間、「ジムシー」。
2人が初めて出会ったとき、
お互い張り合って、勝負して、
やがてお互いのことを認めあう場面がある。


「おまえ、つよいな」


「おまえも、つよいな」



素直に認められること。

「おとな」になると、
新しいものや、すごいものを、
なかなか素直に認められなくなる気がする。


認める、ということは、
受け入れるということ。


コナンも、ジムシーも、
そうやってひとつ、またひとつと大きくなっていく。


成長しても、「おとな」にはならない。


ずっと「少年」のまま、
どんどん大きくなっていく。



「ぼくも、コナンみたいになりたい」


そんな気持ちを思い出して、
あらためてまた観直してみたのだけれど。

コナンのすごさを痛感するばっかりで、
まだまだ自分は、コナンにはほど遠いと実感させられた。


コナンはおろか、
ジムシーにすら、ダイス船長にすら、
ほど遠いんじゃないか。

ましてやラナのようにも、なれない自分。


憧れはコナン。


大切なものを大切に、
臆せず、迷わず、体を動かしていく。



いつかコナンみたいになれるよう。


まずは足の指で、
何でもつかめるようになりたい。

毎日ちょっとずつ、重たいものに挑戦しながら。

こんどの休みには、
らくだ色のタンクトップと、
茶色い半ズボンを買いに行こうと思う。



< 今日の言葉 >


「きみって、ラナに似てるよね」

「え、本当に?」

「うん。『宇宙船サジタリウス』のほうのラナだけどね」


(『「それって、褒め言葉?』/イエハラ・ノーツより)

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